更新履歴
Web 版を公開した 2026年7月26日を起点として、章の追加・分割や内容の大きな変更を記録する。細かな修正は載せていない。
2026年7月29日
- 最終章を改題した。 第18章のタイトルを「表現と呼べるのはどういうときか」から「表現(表象)とは何か — 媒体・内容・読み出し」に改めた。目次の段階で、この章が扱う三つのこと—媒体と内容の区別、内容を決めるものは何か、そして読み出しという答え方—が見えるようにしている。
- 第18章に「表象」の節を二つ加えた。 第2節では、本書が「表現」と呼んできたものが哲学では「表象」と訳される同じ語であることを述べ、志向性・媒体と内容の区別・誤表象、そして「表象など要らない」という立場(ギブソン、ブルックス)までを扱う。第7節では、第12章の測定理論を表象の議論に当て、内容の曖昧さが「許される変換の広さ」として書けることを示した。
- 脳とAIの比較に「同じ変換を保つか」という段を加えた(第17章第10節)。従来の比較は、刺激ごとの一致か、刺激集合の幾何かを見るものだった。その上に、二つの系が同じ変換を保っているかを問う段がある。あわせて第11章第2節を新設し、そこで最も強く現れる「アニマシー(生きているように感じられるか)」の軸を先に置いた。
2026年7月28日
- 全16章から全18章にした。 いちばん長かった第16章を性格の違う三つに分けた—第16章「自由エネルギー原理」、第17章「世界モデル」(新設)、第18章「表現とは何か」。あわせて、情動と自己(第16章第5節)、世界モデルという語の来歴(第17章第1節)、なぜモデルを持つのが合理的か(第17章第2節)、脳の側の世界モデル(第17章第7節)の4節を書き足した。
2026年7月27日
- 「表現」という概念そのものを問う議論を加えた(のちの第18章)。因果説・情報説・消費者説の系譜を辿り、読み出しと表現が対立しないことを示した。
- 日本人研究者の貢献を本文に書いた。 第7章に「この模型の来歴」、第8章に「この手続きの来歴」を新設し、中野馨 (1972)・甘利俊一 (1967, 1972)・福島邦彦 (1975, 1980) の仕事を原論文に当たって記述した。
- 本書が置いている前提を明示した(第2章第7節・第3章第7節を新設)。スパイクと化学シナプスという描像は一つの抽象化にすぎない。樹状突起の演算やグリア伝達、脳全体の波とモードという別の切り口を並べ、それでもなぜこの抽象化を採るのかを述べた。
- 強化学習とシナプス可塑性をつないだ。 第10章第3節に適格度トレースを新設し、第8章のコラムを書き直して、ドーパミンがスパインを育てる 0.3〜2 秒の窓を「その分子的な実装」として回収した。
- Web 版で本文にコードを表示するようにした(「手を動かす」の囲み、全12章16箇所)。
2026年7月26日
- Web 版を公開。 全16章・図27点・確認問題128問(略解つき)・参考文献92件。執筆中のドラフトである。